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 昭和50年版 犯罪白書 第2編/第2章/第2節/6 

6 裁判の執行

(1) 死刑の執行

 昭和21年以降49年までの29年間に死刑を執行された人員は524人であるが,最近5年間における死刑執行人員は,57人である。この57人を罪名別に見ると,強盗殺人が39人で最も多く,その他は,殺人の16人,放火と強姦殺人の各1人となっている。

(2) 自由刑の執行

 昭和45年から49年までの5年間における自由刑の執行状況を見ると,II-30表のとおりである。懲役の執行指揮人員は,47年までは増加していたが,48年から減少し,49年には前年より134人減少して2万8,890人となっている。禁錮の執行指揮人員は46年をピークとしてその後減少傾向を示しており,49年は前年に比べ563人(25.6%)の減と大幅に減少している。拘留の執行指揮人員は,逐年減少している。

II-30表 自由刑の執行指揮人員(昭和45年〜49年)

(3) 財産刑の執行

 最近3年間の罰金及び科料の調定件数と調定金額を見ると,II-31表[1][2]のとおりである。これによると,昭和49年度における罰金の調定金額は480億余円,科料は4,759万余円で,前年度に比べて,罰金は約4億円の減,科料は約1,412万円の増となっている。

II-31表 調定件数及び調定金額(昭和47年度〜49年度)

 次に,昭和49年度における罰金及び科料の徴収状況を見ると,II-32表のとおりである。これによると,現金等により収納されたものと労役場留置処分とを合わせた徴収率は,件数において,罰金が98.1%,科料が97.9%という高率を示しいてる。この徴収率は,前年度とほとんど変わっていない。

II-32表 罰金及び科料の徴収状況(昭和49年度)