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 昭和49年版 犯罪白書 第3編/第1章/第4節/2 

2 収容状況

 昭和48年における全国の少年鑑別所の1日平均収容人員は637人である。最近3年間の入出所状況を示したのが,III-74表である。48年における新収容者は1万1,235人で,前年に引き続き減少している。

III-74表 少年鑑別所入出所状況(昭和46年〜48年)

 新収容者を性別,年齢別にみるとIII-75表のとおりである。低年齢少年,特に低年齢女子少年の入所者の構成比が増加しているのが目立ち,女子については15歳以下が全体の32.1%を占めている。

III-75表 少年鑑別所新収容者の年齢別・性別人員の構成比(昭和46年〜48年)

 少年鑑別所に収容された少年は,男子・女子は分隔して収容され,それぞれ,性格・経歴・入所度数・年齢・共犯関係・審判の進行状況などを考慮して居室が別にされる。また,少年は明るく静かな環境に置かれ,安心して審判を受けられるよう説得,指導される。身体・衣類・居室などの清潔保持,その他の環境衛生並びに給食管理にも細心の配慮が払われている。
 更に,少年鑑別所では,収容中の少年の鑑別を行うに当たり,いわゆる治療的,教育的環境における鑑別の場を作り出す努力が重ねられている。オリエンテーション,集団及び個別のカウンセリング,心理劇,集団討議,絵画・貼絵・工作・粘土細工などによる治療的処遇,音楽鑑賞,歌唱指導,作文や日記の指導,講話,読書指導,体育(バレー・ソフトボール・ピンポン・なわ飛び・鉄棒など),園芸,テレビ・ラジオの視聴等が,各種行事などと組み合わされ,系統的計画的処遇として活発に行われている。