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 昭和49年版 犯罪白書 第1編/第3章/第1節 

第1節 社会変動と犯罪

 全刑法犯の発生件数増減の動向が罪名ごとのそれと必ずしも高い相関を示さないことは,既に知られているところである。本節では,財産犯を代表する犯罪として窃盗と詐欺を,凶悪犯を代表するものとして殺人を,粗暴犯を代表するものとして傷害を,性犯罪を代表するものとして強姦を,過失犯罪を代表するものとして業務上(重)過失致死傷を選び,法務総合研究所が行いつつある「社会変動指標による地域別犯罪率の推定」に関する研究を参考としながら,これら6罪名ごとに犯罪発生状況の推移をながめ,これと関連すると思われる社会的条件に触れてみることとする。