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 昭和49年版 犯罪白書 第1編/第2章/第2節/2 

2 保安関係

 まず,保安関係の特別法犯として,銃砲刀剣類所持等取締法及び火薬類取締法の各違反を取り上げ,最近の動向を考察する。また,軽犯罪法違反及び酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律違反も,その違反行為の中に少なからず保安に関係のある犯罪行為が含まれていると考えられるので,本項において説明する。
 最近5年間における保安関係特別法犯の検察庁新規受理人員を示したのが,I-35表である。これによると,銃砲刀剣類所持等取締法違反及び火薬類取締法違反は,いずれも,昭和46年まで減少した後,47年には増加したが,48年には再び減少している。また,軽犯罪法違反及び酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律違反は,いずれも逐年減少している。

I-35表 保安関係特別法犯検察庁新規受理人員(昭和44年〜48年)

 ところで,保安関係の特別法犯のうちで,銃砲刀剣類所持等取締法違反が最も多数に上るが,その中でも,不法所持犯(同法3条)が同法違反の半数近くを占めている。そこで,最近5年間の同法3条違反の送致人員の推移を示したのが,I-36表である。これによると,けん銃の不法所持犯は,昭和46年以降急激に増加しており,過去5年間では2.4倍の増加となっているのが注目される。また,やり・なぎなたについては,起伏のある動きを示しているが,48年には前年より増加している。その他の銃砲刀剣類の不法所持犯は,いずれも減少する傾向にある。

I-36表 銃砲刀剣類所持等取締法3条違反の送致人員(昭和44年〜48年)