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 昭和48年版 犯罪白書 第2編/第3章/第1節/3 

3 在監・在院者の環境調整

 刑務所,少年院及び婦人補導院に収容された者については,収容後間もなく,本人が希望する釈放時の帰住地が施設において確認され,保護観察所によってその帰住先の調査と調整が行われる。昭和47年に保護観察所が受理した環境調査調整事件(保護観察所長が前記の主旨で矯正施設の長から身上調査書を受けた数)及びこれに対する調査調整報告の状況は,II-88表に示すとおりであり,受理総数は3万6,565件,調査調整の当初報告数は3万3,469件,おおむね6か月に1回行う追報告数は4万7,590件であった。これらの数は,いずれも前年よりわずかに減少している。

II-88表 環境調査調整事件の受理及び報告の状況(昭和47年)

 なお,地方更生保護委員会においては,一部の矯正施設の収容者について,仮釈放準備調査を実施している。これは,矯正施設の長から仮釈放の申請を受ける前に,地方更生保護委員会の保護観察官が積極的に施設におもむいて,収容者の面接調査を行うとともに,施設職員とも協議して,仮釈放の審理と環境調整に参考となる資料を収集し,仮釈放審理の充実と本人の社会復帰の円滑化を図ろうとするものである。この仮釈放準備調査の実施施設は,近年次第に増加し,昭和48年6月末現在においては,刑務所1,少年刑務所6,少年院37,計44の施設において行われている。なお,47年に新たに仮釈放準備調査の対象となった収容者数は1,663人,同年に終了した数は1,301人で,そのうち,1,028人は同年に仮釈放の申請がなされたものである。