刑務所，少年院等の矯正施設からの仮釈放は，全国8つの地方更生保護委員会の決定に基づいて行われる。近年の地方更生保護委員会における仮釈放の申請受理及び許否決定の状況は，II-82表のとおりである。まず，矯正施設の長からなされる仮釈放の申請の受理人員の総数は，昭和43年には2万8,000人を超えていたが，その後逐年減少し，47年には2万2,755人となっている。この減少は，主として矯正施設収容者の減少によるものである。次に，実数の少ない仮出場及び婦人補導院仮退院以外の種別の許否決定について同じ5年間の傾向をみると，許可・棄却とも数年来減少傾向にあったところ，仮出獄の棄却のみは，46年以降多少増加傾向を示している。

II-82表　仮釈放の種類別新受・決定の状況(昭和43年〜47年)

　以下，仮釈放の許否決定の状況を，実数の多い仮出獄についてここで検討し，仮出場及び婦人補導院仮退院については省略するとともに，少年院からの仮退院と不定期刑受刑者の仮出獄の細部については，更に第3編第1章第7節の少年に関する項で取り上げることとする。