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 昭和46年版 犯罪白書  

はしがき

 犯罪の傾向は,経済事情に伴う社会変動と相関関係にあるといわれている。この意味から,ここ十数年における交通犯罪などを除く一般刑法犯の減少傾向は,わが国の驚異的な経済成長を反映しているともいえるのである。このような観点に立つと,本年八月以降におこった経済変動は,犯罪傾向に何らかの影響を与えるのではないかと思われるが,本白書は,統計資料の関係で,主として昭和四五年の資料によったため(一部には昭和四四年のそれによらざるをえなかったものもある),おおまかにいえば,昨年度の白書で示したところとほぼ同様であって,きわだって異なった傾向を示しているとはいえない。
 本白書は,既刊のものとほぼ同じように,全体を三編にわけ,第一編では,昭和四五年を中心とした,最近の一般的な犯罪の動向を概観し,第二編では,検察・裁判・矯正および保護の各段階を通じて,犯罪者処遇の実情を紹介し,さらに,第三編では,ここ数年来問題とされている少年犯罪および交通犯罪につき詳述して,最近における犯罪現象と犯罪者処遇の現況をあきらかにすることにつとめた。
 おわりに,本白書をつくるにあたり,法務省各部局はもとより,最高裁判所事務総局および警察庁から協力と援助を受けたことを感謝するとともに,本白書の内容に関する責任は,もっぱら,当研究所にあることをあきらかにしておきたい。
昭和四六年一〇月
本田 正義 法務総合研究所長