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 昭和44年版 犯罪白書 第二編/第三章/二/1 

二 保護観察

1 保護観察の対象と期間

 保護観察の対象者は,次の五種類である。
(1) 家庭裁判所の決定により,保護観察に付された者(以下,「保護観察処分少年」という。)
(2) 地方更生保護委員会の決定により,少年院からの仮退院を許された者(以下,「少年院仮退院者」という。)
(3) 地方更生保護委員会の決定により,仮出獄を許された者(以下,「仮出獄者」という。)
(4) 刑事裁判所の判決により,刑の執行を猶予され,保護観察に付された者(以下,「保護観察付執行猶予者」という。)
(5) 地方更生保護委員会の決定により,婦人補導院からの仮退院を許された者(以下,「婦人補導院仮退院者」という。)
 保護観察は,それぞれの保護観察対象者につき,その住居地を管轄する保護観察所において,実施するのであるが,その期間は,次のとおり,法定されている。
(1) 保護観察処分少年については,保護処分言渡しの日から,二〇歳に達するまで,ただし,二〇歳に達するまでの期間が二年に満たない者については,二年間
(2) 少年院仮退院者については,仮退院の決定による出院の日から,仮退院中の期間(通常の場合,二〇歳に達するまで)
(3) 仮出獄者については,仮出獄の決定による出獄の日から,その残刑期間
(4) 保護観察付執行猶予者については,言渡し確定の日から,その執行猶予の期間
(5) 婦人補導院仮退院者については,仮退院の決定による出院の日から,その補導処分の残期間
 ちなみに,昭和四三年中に,新たに保護観察に付された者の,保護観察の期間は,II-145表のとおりで,少年院仮退院者では,一年以内の者が四二・二%を占め,仮出獄者では,一年以内の者が九四・一%,三月以内の者が六五・六%を占めていて,仮釈放者(仮退院者と仮出獄者)の中に,保護観察期間の短期の者が,著しく多い。

II-145表 新受人員の保護観察期間(昭和43年)