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 昭和44年版 犯罪白書 第一編/第二章/二/3 

3 財政経済関係

 次に,財政経済関係の特別法犯について,最近五年間の推移をみると,I-34表のとおりである。関税法違反は,昭和三九年から四一年までは減少したが,その後は横ばいの傾向を示し,昭和四三年には,昭和三九年を一〇〇とする指数で示すと,六二となっている。外国為替及び外国貿易管理法違反は,昭和三九年以後,一年おきに増減しているが,昭和四三年には,大幅に減少し,昭和三九年を一〇〇とする指数で示すと,六一となっている。「出資の受入,預り金及び金利等の取締等に関する法律」違反は,昭和四二年に減少したほかは,逐年増加の傾向を示している。食糧管理法違反は,昭和四〇年に一時増加したのを除き,年々減少傾向にあって,昭和四三年には,昭和三九年を一〇〇とする指数で示すと,二五になっている。酒税法違反は,年々大幅に減少し,昭和四三年には,昭和三九年を一〇〇とする指数で示すと,七にすぎない。

I-34表 財政経済関係特別法犯検察庁新規受理人員(昭和39〜43年)

 なお,直接国税関係については,ほ脱事犯が全体として漸増の傾向にあるばかりでなく,ほ脱額が多額化してきているので,その数字を掲げてみると,I-35表のとおりである。昭和四三年の法人税法違反は一八二人で,前年より三三人増加しているのに対し,所得税法違反は,四八人で,前年より一四人減少している。しかし,両者を加えると二三〇人で,最近五年間では,昭和四一年の二四三人に次いでいる。

I-35表 直接国税関係特別法犯検察庁新規受理人員(昭和39〜43年)