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 昭和35年版 犯罪白書 第二編/第一章/五/2 

2 自由刑

 無期の懲役と禁錮,有期の懲役と禁錮と,それに拘留を自由刑とよんでいるが,自由刑は,通常の裁判手続を経て言い渡され,略式命令の手続や即決裁判手続によって言い渡すことはできない。
 いま試みに,昭和三三年における通常裁判手続によって言い渡された第一審判決の種別をみると,II-39表のとおり,懲役刑が禁錮刑にくらべて圧倒的に多いこと,および,,拘留がきわめて少ないことがわかる。さらに,うち有期懲役刑につき,その刑期別に人員数をみたのが,II-40表である。六月以上二年未満の刑が懲役の総数の約八四パーセントをしめている。

II-39表 通常裁判手続による第一審判決別人員(昭和33年)

II-40表 第一審判決における有期懲役の刑期区分別人員(昭和33年)

 つぎに,第一審有罪被告人のうち,刑法犯について,昭和二八年から昭和三三年までのあいだの科刑別の比率をみると,II-41表にみるように,禁錮刑がわずかながら増加の傾向にあることがわかる。これは,業務上過失致死傷事件の増加によるものである。また,罰金の比率が年とともに増加しているが,一方,有期懲役のしめる比率は減少している。

II-41表 刑法犯第一審有罪人員の科刑別百分率

 拘留の言い渡される数が,他の自由刑に比して少ないのは,軽犯罪法その他拘留を法定刑とする罪については,主として科料が言い渡されていることと,この種の軽微な罪についても一般の刑事事件と同様な手続で処理されねばならないところから,あえて起訴しない場合が多いことによるものといえよう。